1)WiFiと Bluetooth®の違い

WiFi(Wi-Fi Allianceによって認定された、無線LANの規格。) と Bluetooth®の違い

今やパソコン・スマートフォン・ミュージックプレイヤーなどいろいろな機器が無線化されWiFi「ワイヤレスLAN」「Bluetooth®」という言葉もなじみが出て来ました。ですが、実はその違いを詳しく知らない、という人も多いのではないでしょうか? そこで今回はWIFI(ワイヤレスLAN)とBluetooth®の違いを解説していきたいと思います

そもそもワイヤレスLANとは何か?

ワイヤレスLANは「無線LAN」「Wi-Fi」とも呼ばれる、LANケーブルを使用することなくネットワーク環境を作るシステムのことをいいます。このシステムと、無線LAN機能を搭載したノートパソコンやタブレットなどを組み合わせることで、ケーブルレスの環境を作ります。

ケーブルがないということは、電波が届く範囲であれば、どの場所でもインターネットができるということです。LANケーブルでつないでいる場合は、作業ができる範囲が決まってしまいますが、より自由なインターネット生活が楽しめます。

ワイヤレスLANのメリット・デメリット

メリットは以下の通りです。

  • ・ 電波が届く範囲であればどこでもインターネットが可能
  • ・ 家庭内・オフィス内に置いてはほとんどの場所にパソコンを持ち込み可能
  • ・ LANケーブルへの設備投資・配線工事が不要
  • ・ 煩雑・複雑なケーブルが不要

デメリットは以下の通りです。

  • ・電波環境の悪化で途切れる可能性あり
  • ・電波が届かない場所では接続不可

しかしながら以上のようなデメリットは、無線リピーターと呼ばれる電波の中継器や、モバイルルーターや公衆LANなどを使用することでクリアできるようになりました。

2つの無線の違いは?

それではワイヤレスLANとBluetooth®の違いは何なのでしょうか? Bluetooth®は携帯電話やミュージックプレイヤーを無線でつなぐシステムです。ともに無線(ワイヤレス)ですが、大きな違いがあります。

ワイヤレスLANは、高速通信かつ約100mという広い通信距離を持つ無線です。ちょっと難しい話ですが、2.4GHz帯と5GHz帯の2つの通信帯を持っているため、安定した接続が可能になっています。ノートパソコンやタブレットなど、メールやインターネットで多量のデータ通信を行う場合に向いている接続です。

Bluetooth®はワイヤレスLANに比べ、消費する電力は少ないですが通信距離が短く、通信速度も劣ります。とはいえ登場当初よりは数段の通信速度の速さを実現しています。この無線を採用している機器の接続は容易なため、多くの家電製品で使用され、省電力ということもありスマートフォンやミュージックプレイヤーなど小型の機器に向いています。

ちなみに使用している電波帯は2.4GHz帯のみとなります。

スマートフォンのインターネット接続への応用

スマートフォンはWi-FiでもBluetooth®でもインターネットに接続することができます。前項の説明の通り、Wi-Fiの方は高速通信が可能ですが、Bluetooth®の方は消費電力が少ないというメリットもあります。

二つの無線接続のメリットを知り使い分ける

いかがでしたか? ワイヤレスLANとBluetoothではいろいろな違いがあるので、そのメリットを知ることでどちらの接続が適切かを使い分けることで、インターネット環境がさらに便利になります。


2)NFCとは

NFC(Near Field Communication)は、かんたんにいえば「かざして通信」するための規格です。短波HF帯(13.56MHz)を利用する、数センチ程度の短い通信エリアが特徴で、スマートフォンなどの小型端末にNFCチップを搭載すれば、他のNFC対応機器と近づけて通信する機能を持たせることができます。

NFCの通信速度は最大424kbps(424キロビット毎秒)と比較的低速なため、小さなデータの転送に適しています。具体的には、電子マネーのような小額決済や、他のNFC対応機器と通信を開始するための"キックスタータ"的な用途に利用されます。

ただし、技術的には小額決済に対応できるとしても、NFC対応のスマートフォンだから電子マネーとして使える、という意味にはなりません。現状日本にNFCを利用する電子マネー規格は存在せず、Edyやnanaco、SUICAやPasmoなどプリペイド型の電子マネーは、ほとんどが「Felica」を採用しています。FelicaもNFCの一形態ですが、暗号化処理を伴う部分は「セキュアエレメント」として分離されており、これなしには電子マネーとして機能しないため、エンドユーザにとっては別の規格です。

最近スマートフォンで急増しているのは、もうひとつの"キックスターター"的な用途です。NFC対応のテレビやパソコンに(NFC対応の)スマートフォンを近づけると、無線LANアクセスポイントに接続に必要な諸設定が自動処理され、写真や動画といったデータ量の多いコンテンツの転送が始まる、という流れです。こうすれば、かざすだけでデータ通信できるというNFCの利点と、設定に手間がかかるけれど通信は高速、という無線LANやBluetoothの利点を組み合わせることができます。

Android 4.0以降では、NFCを使いデータ転送する「Android Beam」もサポートされています。この機能は、当初NFCの機能だけでデータ通信を行っていたため低速でしたが、Android 4.1からはBluetoothに転送処理を引き継ぐようになりました。そのため、写真もスピーディーに転送することが可能です。

写真で解説

Android 4.0からサポートされた「Android Beam」は、NFCを"キックスタータ"的に利用します